ブルーライト漢詩17
寄女子冰球隊微笑日本守門員
女子冰球隊微笑日本守門員に寄す
把棍撥球冰上雄
棍(スティック)を把り球を撥き氷上に雄たリ
威風装甲守門躬
威風の装甲守門の躬(ゴールキーパー)
敵鋒孤制仁王態
敵鋒(敵の攻撃)孤り制す仁王の態
面具徐除顕女童
面具(マスク)を徐ろに除けば女童顕わる
解説
神奈川新聞平成26年02月02日日曜日版から転載
漢詩の作り方
≪漢詩の作り方面14≫
シュートが決まると5人
が輪になりペコリと頭を下
げるパフォーマンスで人気
の「スマイルジャパン」。
最も地味なゴールキーパー
を詩にしてみたいと思っ
た。鎧兜(よろいかぶと)
と見まがう約20々㌔もの防具
を着けた選手が、マスクを
外すとかれんな乙女の顔に
なるのが何とも面白い。
承句の「風」は、押韻し
た「雄」「躬」「童」と向じ
東韻だ。脚韻以外の場所で
同じ韻を使うのは「冒韻」
として禁じられていたが、
最近はあまり厳しくいわな
くてもよい、というルール
になった。
作者紹介
岡崎満義
おかざき・みつよし
1936年鳥取県生まれ。京都大文学部卒。
60年文芸春秋入社。
「ナンバー」「文芸春秋」編集長など。
99年退職。全日本漢詩連盟常務理事、
神奈川県漢詩連盟会長。
茅ヶ崎市在住。
shinkanren@.jp
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