ブルーライト漢詩3

     捧慈媼
    慈媼じおう(穏やかな老婦人)に捧ぐ

     菜羹作得有芬香
  菜羹さいこう(野菜汁)を作り得て芬香ふんこう有り
     直欲携行慈媼傍
  直ちに慈媼じおうかたわらに携行せんと欲す
     白髪淡粧迎我喜
    白髪淡粧たんしょう 我を迎えて喜ぶ
     誰言郎勿入厨房
  誰か言う 郎(男子)の厨房ちゅうぼうに入るなかれと

解説

神奈川新聞平成25年09月30日日曜日版から転載

漢詩の作り方

≪漢詩豆知識≫
 すべての漢字は、平字(ひ ょうじ)と仄字(そくじ)に 分類される。平は高く平ら かな音、仄は下がったり、は ねたりする音。この区別は 漢和辞典(かなり分厚くて しっかりしたもの)で調べ るしかない。平字はさらに 30のグループに分かれてお り、同一グループの字を使 って初めて「韻を踏んだ」こ とになる。中国人は詩をま ず耳で楽しんだ。ちなみに 上掲詩の香・傍・房は陽韻。

作者紹介

岡崎満義
神奈川県漢詩連盟会長
shinkanren@.jp

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漢詩ゲーム3